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野鳥撮影をはじめる方へ
― 印旛沼での野鳥撮影“はじめの一歩”ガイド ―

Webサイトを見た方から、「どんなカメラを使っているんですか?」という質問をよくいただきます。
そこで今回は、これから印旛沼で野鳥撮影を始めようという方に向けて、実際に使ってみたカメラや撮影スタイルをご紹介します。

重さより「続けられること」が大事

一般的に、野鳥撮影では500mm以上の望遠レンズが理想とされています。
ですが、デジタル一眼レフに500mmのレンズを装着すると、だいたい1.5~2kg。
つまり、未開封の2リットルのペットボトルを片手に持って歩くようなものです。

印旛沼の土手を歩きながら鳥を探していると、この重さがなかなかの曲者。
撮影よりも先に腕が疲れてしまうこともあります。

もちろん、画質にとことんこだわる方は重さも気にならないでしょう。
でも、私のように「散歩のついでに野鳥を見つけたら撮ろう」「画質は自分が満足できれば十分」というライト派には、
一眼レフ+望遠レンズの組み合わせは少し重すぎます。

そこでおすすめしたいのが、超望遠が得意なデジカメです。
軽くてレンズ交換も不要。思い立ったらすぐ撮影できる――そんな“気軽さ”が魅力です。

デジカメで広がる野鳥撮影の世界

現在、市販されているデジカメの中で最高レベルの望遠性能を持つのが ニコンP1100(P1000とほぼ同等スペック)。
このカメラはなんと3000mmの超望遠撮影が可能で、重さは約1.4kg。
同じ焦点距離を一眼レフで実現しようとすると、カメラ+レンズで5kg超えになることもあります。

デジカメはレンズ一体型なので、レンズ交換の手間がなく、持ち運びも簡単。
遠くの野鳥も近くの花も、1台で手軽に撮影できるのがうれしいところです。

たとえば、印旛沼でヒクイナ千葉市の公園のリス八千代市の公園のチョウゲンボウ――
これらはすべて Panasonic FZ85 で撮影しました。
軽くて操作もシンプル、散歩中の撮影にぴったりな超望遠デジカメです。
(投稿用に画質を落としていますが、実際の映像はとてもきれいです)

使ってみてわかった、カメラ別の印象

ここでは、実際に使ってみたカメラを簡潔にご紹介します。

  • ソニー RX10M4:オールラウンダーで動画性能が抜群。飛翔する鳥など動きの速い被写体ではAFがやや遅い印象。

  • Panasonic FZ1000:ファインダーがとても見やすく、AFも速い!軽快に撮影できます。

  • Panasonic FZ1000M2:FZ1000で課題だった連写時のフリーズが改善。性能は高いですが、個人的にはFZ1000の自然な描写が好きです。

  • Panasonic FZ300:全域F2.8で暗いシーンにも強く、防塵防滴仕様。少々の雨でも安心です。

  • Panasonic FZ85:軽量で1200mmまでズーム可。動画撮影も簡単で扱いやすいです。
     ※2024年7月発売の FZ85D ではファインダーが見やすくなり、さらに快適に。

  • ニコン P900:2000mmの超望遠。動画撮影に最適な一台です。
     ※後継機 P950 も高評価。

  • ニコン P1100:3000mmの超望遠。動画・静止画ともに安定した画質。
     ※P1000とスペックはほぼ同じ。

  • キヤノン SX60HS:光の条件が合えばとても美しい写真が撮れます。

  • キヤノン SX70HS:SX60HSの後継機。扱いやすく、0mからの接写や2730mmの超望遠撮影も可能。

どのカメラも三脚なしで撮影できるので、“お散歩カメラ”として気軽に持ち歩けます。

カメラ選びのヒント

初めての方におすすめなのは、キヤノン SX70HS。
軽くて持ち運びやすく、コスパも良好です。
画質と携帯性のバランスが取れた、まさに万能タイプ。

もう一歩上を目指すなら、ソニー RX10M4。
価格は高めですが、ファインダーの見やすさ、映像の美しさともにトップクラスです。
ただし、サイズと重さがあるため、持ち歩きのしやすさも考慮して選ぶといいでしょう。

超望遠デジカメを長く使うために

本体とレンズが一体化している超望遠デジカメは、望遠時にレンズ筒が出入りします。
このとき、レンズ筒に付着したホコリを放置すると、レンズが収納される際に本体内部へゴミが入り込む可能性があります。

そのため、撮影後はハケやエアーポンプでレンズ筒を軽く掃除する習慣をつけましょう。
これだけでカメラの寿命が大きく変わります。

まずは「楽しく撮る」から始めよう

野鳥撮影は、最初から高価な機材をそろえる必要はありません。
気軽に始めて、楽しみながら腕を磨いていくのがいちばんです。

印旛沼の空や水辺で、鳥たちの動きを追いながらシャッターを切る――
それだけで、きっと心が軽くなり、自然とのつながりを感じられるはずです。

 

最後に参考までに下の写真はFZ1000で撮影したオオワシvsミサゴ、被写体までの距離1kmオーバー、画像サイズを5MBまで落として最大望遠1600㍉で撮影。解像度などはデジタル一眼+超望遠レンズには及びませんが、三脚を使わずに手持ちで遠方の被写体を捉えました。(オオワシvsミサゴは、隣接県で撮影したものです)

佐倉の野鳥
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